PLC異議申し立て電波監理審議会
異議申し立て第6回審理 参加記
草野 利一
2008年9月17日に開催されたPLC型式指定異義申立の第6回審理について報告致します。
午前10:00分、佐藤主任審理官が入室して審議が始まりました。最初に申立人側、国、双方から提出された準備書面についてのそれぞれが要旨説明を行います。
●佐藤主任審理官:
異議申立人が求めている検証(共同実験)について、いきなり検証を行うことはできない。その前に検証が必要かどうかを専門家に鑑定して貰う必要がある。合同実験について双方が合意に至るのは難しいのではないか。
●海渡弁護士:
我々は実験する機種、場所などについて双方の条件で行うと提案しているので公平に出来ると考える。
●只野弁護士:
国の証拠は紙に書いたものであり状況が分かり難い。我々は一般住宅での実験を行って結果を出しているので、その実際の状況を現場で審理官に確認していただきたい。
●佐藤主任審理官:
国は検証についてのどう考えるのか。参加人(パンソニックCC)もどういう風にすれば良いか意見があれば提案してください。
<申立人に対して>
●佐藤主任審理官より双方に以下の質問が出されます。
1)異議申立人の言う周囲雑音は抽象的である。国の言う周囲雑音の定義は具体的だが、双方の差は大きいので次回までにもっと分かり易く説明して欲しい。
2)申立人は漏洩電波の受認限度は周囲雑音を超えないことだとしているが、国は超えることもあるとし、超えた場合は電波法で規制するとしている。申立人の受忍限度について電波法との整合性について説明して欲しい。
3)実際にアマチュア無線に障害になったという例はあるのか。
<国に対して>
4)国はPLC機器はどんな機種が何台出荷されているのか把握していますか。
5)PLCには3つの型があるとのことですが、どういうことか説明して欲しい。
6)漏洩ノイズを出して障害を与えているPLCユーザーをどうやって発見し、規制できるのですか。
<参加人に対して>
7)参加人(パナソニックCC)は販売に当たっては取扱説明書に苦情処理について書いているが、どのようなに処理するのか。又、実際に苦情はありますか。
<国に対して>
8)国は乙4号証、乙5号証を証拠として何度も引用している。そしてこの証拠文書は必要な手続きで作成されたととしているが、研究者が作成したのか、一体誰が作成したのか明確にして欲しい。
●海渡弁護士:
審理を前に進める為に検証について国は逆提案があるならそれを具体的に出してほしい。
●JA1IDY青山氏:
公害裁判等では原告、被告それぞれがたとえば土壌汚染の場合、同一のサンプルを2分し、双方で測定分析を行い突き合わせている。
●只野弁護士:
アマチュア無線に対する障害について実例は無い。無い理由はメーカーがアマチュア無線の周波数にノッチという仕組みを自主的に取り入れているからである。アマチュア無線家は短波放送の受信もしているし、申立人の中にはアマチュ局でない短波受信者も含まれています。短波放送周波数では全く聞こえなくなる場合があるのです。
●IA1IDY青山氏:
アマチュア無線には4630kHzという災害などの場合に使える非常通信周波数も免許されているが、メーカーはこの周波数にはノッチを入れていない。検証ではこれも含めて頂きたい。
●佐藤主任審理官:
ノッチをどう考えるかですね。それでは今回はこれで終了します。次回は11月26日(水曜)午後2時と致します。
注:国側の答えや反論が記載されていませんが、それは殆ど準備書面に書いているとし実質的な発言が無い為です。
PLC行政訴訟事務局 JA1ELY草野利一 |